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【2152】幼児活動研究会の第1四半期決算発表で株価はどうなる?

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引用:平成30年3月期 第1四半期決算短信〔日本基準〕(非連結)

幼児活動研究会の第1四半期決算短信が公開されました。

業績は拡大傾向、PERは11倍程度とまぁ割安、チャートの形は9ヶ月間ほど揉み合ったあと上放れて上昇トレンド。これはバリュー投資の三大原則に当てはまる優良株です。

早速、第1四半期の決算短信を分析して今後の株価の動きと投資家心理を予測してみましょう。

業績の伸び率と進捗率をチェック

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引用:平成30年3月期 第1四半期決算短信〔日本基準〕(非連結)

前年同期と比較する

まずは、業績が前年同期と比べて伸びているか確認します。これは記載されているのでわかりやすいですね。

  • 売上高:1.4%
  • 営業利益:31.4%
  • 経常利益:37.4%
  • 四半期純利益:△50.4%

経常利益まではよく伸びているのにも関わらず、四半期純利益が半減しているのが気になりますね。後で詳しく調べてみましょう。

業績予想に対する進捗率

続けて、業績予想に対する進捗率を確認します。第2四半期と通期があるので、それぞれについて見てみましょう。

第2四半期(累計)に対する進捗率

第2四半期なので、それぞれ50%の進捗率がメドになります。

  • 売上高:48.7%
  • 営業利益:56.5%
  • 経常利益:98.1%
  • 当期純利益:60.7%

進捗率は概ねいい感じ。特に経常利益はほぼ第2四半期の目標に到達しているので、この調子で業績が伸びれば、次回の決算発表で通期の上方修正が期待できますね!

通期に対する進捗率

通期なので、それぞれ25%の進捗率がメドになります。

  • 売上高:23.3%
  • 営業利益:23.6%
  • 経常利益:25.2%
  • 当期純利益:25.2%

こちらは、概ね計画通りといったところ。通期で見ると上方修正は無さそうです。

なぜ四半期純利益だけ大幅下落しているのか

先にも触れたように、決算短信で一番気になるのが、四半期純利益が前年同期比-50.4%なところ。

この歪みの原因は、損益計算書を読めばわかります。

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引用:平成30年3月期 第1四半期決算短信〔日本基準〕(非連結)

前年度の損益計算書に特別利益として抱合せ株式消滅差益が219,775千円計上されています。

抱合せ株式消滅差益とは、親子会社が合併することで発生した、子会社から受け入れる純資産と親会社が保有していた子会社の株式の簿価の差のことです。

今回の場合、保有していた子会社の株式以上に、合併したときに得た純資産の方が多かったので、その分特別利益が形状され、純資産が大きく歪んだことがわかります。

 

一方で、その上の経常利益の項目を見ると、むしろ業績は大幅に拡大しているのではないでしょうか?

特別利益は会社本来の実力とは考えませんから、経常利益をベースに考えると、本来の純利益はむしろ拡大しているはずですね。

チャートから投資家心理を読む

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引用:四季報ONLINE

最後にチャートから今後の値動きと投資家心理を予測してみます。

 

まず、前回の決算発表直後(5月1日)では、高く寄り付きましたが、その日は陰線で終えた後揉み合っています。つまり材料にはならなかったということ。

 

一方で、5月30日は陰線ですが大きく上放れています。この日は日経新聞の一面に「幼児教育 早期に無償化」という記事が掲載されました。

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これが投資家にとってサプライズとなり、「政策が追い風となって業績が伸びるのではないか」という期待が生まれました。

その後は緩やかな上昇トレンドを描いています。

 

今回の決算発表の内容は概ね企業が出した予想通りですから、特に材料にはならず、今後もしばらく上昇トレンドが続きそうです。

とは言っても、経常利益の進捗が良いので、この調子でいけばまた上方修正などの好材料が期待できます。PERもまだまだ割安ですし、しばらく株価は上昇すると思われます。

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