投資を始めるためには資金が必要です。
株式投資を始める前の人によく訊かれるのが、
株っていくらあったら始められるの?
という問い。
確かに株をやっていない人からすれば、株がいくらぐらいで取引できるのかわからないために、必要な資金がよくわからないかもしれません。
そこで今回は、株を始めるために必要な資金の目安とその根拠をご紹介します。
株を買うだけなら数万円あればよいが
株はたいてい100株単位で取引をします。そして、株価は銘柄によって数十円のものから数千円するものまであります。
例えば、みずほフィナンシャルグループ(8411)の株価は200円前後ですから、100株で約2万円。つまり、2万円あれば株を始められるということになります。
ここで知っておいて欲しいのが、「株価が低い=良くない企業」とは限らないということです。
企業の価値、すなわち時価総額は「株価×株数」で決まります。先に挙げたみずほフィナンシャルグループ(8411)の時価総額は5兆円近くありますが、株数が多いため、株価は200円と安価になっているのです。
さて、これで数万円あれば大企業の株も買える、ということがわかりました。しかし、数万円の資金で株を始めることはおすすめできません。
資金力は選択肢
3,600社ほどある上場企業のうち、5万円未満で買える株は多くありません。その数、約500社。全体の約15%しかありません。
その中で株価が上がりやすい企業は確率的に1社あれば御の字でしょう。
5万円の資金力では投資対象の選択肢が狭すぎるのです。
では、ある程度の選択肢を持つためには、いくらぐらいの株が買えるだけの資金があれば良いのでしょうか?
20万円あれば選択肢が広がる
上の図は上場している全銘柄を最低購入金額帯で分けたものです。
これによると、20万円未満の10万円台で買える株は全体の6割以上、2,111銘柄あります。
これだけあればかなり選択肢が広がります。
2,000銘柄も選択肢があれば、投資対象になり得るものは約20銘柄ほどあるでしょう。
これは個人投資家にとっては多すぎず、少なすぎない数です。
では20万円あれば株を始められるかというと、まだ不安です。1銘柄を100株買ったらもうそれ以上買えず、身動きが取れないからです。
100万円あればリスク管理も可能に
株式投資には元本割れのリスクがあります。コツコツ勝ち続けたとしてもドカンと1回負けるだけでそれまでの儲けどころか元本まで失ってしまうことがあるのです。
投資の格言に「卵を1つのカゴに盛るな」という言葉があります。たった1つの銘柄に自分の資金を全て委ねることは危険だ、という意味です。
1銘柄への投資金額の目安は、投資資金の20%以内が1つの目処です。
これなら例え1つの銘柄の株価が半分になったとしても、資産全体としては10%の下落にとどまります。これでも十分大きな損失ですが、これ以上投資ができなくなる程ではありません。
さて、ここまでの話をまとめると次のようになります。
- 選択肢を持つために1銘柄に対して最大20万円の資金は欲しい
- 1銘柄あたりの投資金額は投資資金の20%以内になるようにする
したがって、投資資金が100万円あれば十分株を始めることができます。
1度に100万円分の株を買うわけではない
しかし、資金を100万円用意できたからと言って、すぐに株を買うわけにはいきません。
勝率の高いタイミングで買いたいからです。
そしてそのタイミングは当然、5銘柄も同時に来るわけではありません。
基本は分散投資です。銘柄と購入タイミングを分散させることでリスクも分散させることができ、安定した運用効率が出ます。
長期で持てる銘柄を選ぶことができていれば、自然と用意した100万円は上がり続ける株に次々と変わっていきます。
それでも100万円が全て株になる日はないでしょう。今持っている株よりも良い株を見つけたらそっちに乗り換えたいからです。
そして、株はその日に売って別の株を買うことができません。株が現金になるのは売ってから3営業日後です。だからいつでも「買い」の選択肢が取れるようにある程度の現金は確保しておく必要があります。
いつでも売れる、いつでも買える。そんな行動が取れるように立ち回っていくことが上手に相場を乗りこなしていく秘訣なのです。