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【個別銘柄分析】フリークアウト【6094】

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マーケティング・テクノロジー・カンパニーとして主力事業であるDSP(デマンドサイド・プラットフォーム)事業を展開。LINE(3938)との共同事業であるLINE Ad Platformが2016年6月から本格稼働をしたことにより経常利益が大幅拡大。

DSP事業は個人では馴染みがなく、わかりにくい事業ですね。とは言え業績は好調なようで、更にはLINE関連株として注目を集めています。

そんなフリークアウトを詳しく分析してみます。

事業内容

【特色】ネット広告をリアルタイムで取引する広告配信サービス(DSP事業)が主力、海外でも展開

【連結事業】DSP100 <15・9>

6094フリークアウト(フリークO) | 四季報:株価・ニュース・業績 | 会社四季報オンライン

この1文ではイマイチわかりません。そもそもDSPとは何でしょうか?

DSP(デマンドサイド・プラットフォーム)とは

広告主側から見た広告効率の最大化を支援するシステム。RTBの技術を活用し、広告主や広告代理店がSSP等を対象に、ユーザーの1視聴毎に、広告枠に対してリアルタイムに最適な自動入札取引・広告配信を行うシステムを提供するプラットフォーム

平成28年9月期 第3四半期決算短信〔日本基準〕(連結)

要するに、インターネット上の広告の効率を上げるシステムです。もっと単純に言えば、普通の広告よりも儲かる広告を提供することです。

このシステムにRTBという技術を活用しています。

RTB(リアルタイムビッティング)とは

ウェブサイトに来訪したユーザーの1視聴毎にリアルタイムにインターネット広告の入札が行われる仕組み

平成28年9月期 第3四半期決算短信〔日本基準〕(連結)

インターネットに広告を掲載しようと思ったら、その広告を表示させるきっかけになる「キーワード」に対してお金を払います。これにいくら払うかはオークション形式で決まります。オークションなので広告主は入札をします。RTBはこの入札を1ページビュー毎に行う仕組みです。

業績(百万円)

決算期 売上高 経常利益 EPS
単11.9* 66 0 0.0
連12.9* 944 174 14.9
連13.9* 2,162 251 16.2
連14.9 3,224 172 8.7
連15.9 4,217 95 10.5
連16.9予 6,300 520 54.68

売上高は綺麗な右肩上がりです。一方、利益率は安定していませんね。

16年9月期は経常利益が大きく跳ね上がる予想なので、期待できます。

PER

決算期 PER
連14.9 580.45
連15.9 98.47
連16.9予 133.95

この銘柄は同業種のサービス業の平均(22.3倍)と比べるととんでもなく高い。こういった銘柄は悪材料が出た瞬間に大きく下がるリスクを孕んでいるので要注意です。

買うなら過去のPERを参考に、98.47倍以下を狙います。16年9月期は、EPSが大幅上昇予想されているので予想PERが大きく下がっています。

焦らず、チャートを見てタイミングを見計らって買うべし。

また、過去のEPSと株価の関係をグラフにするとこのようになります。

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株価がEPSを下回っているので過去の傾向から見ても割と買いのチャンスです。

チャートの形

週足チャート

これは週足チャートです。美しい理想的な上昇トレンドを描いています。 押し目は13週移動平均線付近です。なので買うなら押し目買いがベストです。 この形を描いている間は売る理由がないので、崩れるか、他の良い銘柄が見つかるまで持っていられます。

財務諸表分析

IR情報はこちらのページから閲覧できます。

IR情報を見る

IR | 株式会社フリークアウト ホールディングス

では決算短信を元に財務諸表分析をしましょう。単位は百万円です。

事業価値 960
非事業資産価値 3,441
  現金及び預金 3,064  
  投資有価証券 347  
有利子負債 1,307
株主価値 3,064
株主価値株価 237
  発行済株数(千株) 12,933  
当座比率 3.61倍
  当座資産 3,625  
  流動負債 1,004  
自己資本比率 57.2%

営業利益が安定していないため、2015年度を参考に株主価値株価を計算すると237円と株価の1割にも満たない値が算出されます。しかし、これはどんなに都合よく見積もっても株価を下回るでしょう。株価がどれほど割高かがよく分かりますね。長期で持つ銘柄ではなさそうです。

一方で当座比率と自己資本比率が高く、一時的に業績が不調になったとしても立ち直る力は持っていることが分かります。

まとめ

フリークアウトは利益率にムラがあるため、比較的リスクの高い銘柄です。さらに、ROEが低く、株価が割高なため投機的な意味合いが強いです。

一方でチャートの形は良く、売買のタイミングは見計らいやすいです。チャートの形だけで売買するのが良いですね。チャートはもちろん、ファンダメンタルズが崩れた場合はすぐ売ってしまってOKでしょう。