ゼロから始める株式バリュー投資術

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全体相場を味方につけるための4つのポイント

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画像素材:経済指標ダッシュボード:日本経済新聞

個別株の売買をメインとするバリュー投資では、あくまでの一企業の事業内容、業績、PER、株価トレンドを重視します。

しかし、全体相場の動きが個別株に大きな影響を与えることも確かです。

日経平均が下降トレンドの時と上昇トレンドの時では、やはり後者のほうが成果が出やすいものです。

したがって、バリュー投資においても全体相場のトレンドとその背景の景気動向についてはチェックしたほうがいいでしょう。

日経平均株価の移動平均線の向き

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日経平均株価

全体相場を代表する指数が日経平均株価です。

日経平均株価のトレンドは、主に52週移動平均線の向きで判断します。

52週移動平均線は1年以上の長期トレンドを表します。これが上向きならば上昇トレンド、下向きならば下降トレンドと判断できます。

日経ジャスダック平均と東証マザーズ指数の動き

日本の株式市場の全体的な動きは日経平均株価とTOPIXを見れば把握できます。

小型株投資をするならば、これらに加えて日経ジャスダック平均や東証マザーズ指数にも注目しましょう。これらは小型株が多く上場する市場の値動きを表します。

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日経ジャスダック平均

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東証マザーズ指数

景気サイクル

一般的な景気サイクルと言えば、キチンサイクル(在庫循環)のことを示します。これは40か月程度の景気の強弱を繰り返すサイクルです。特に戦後の日本の平均は52か月(4年4か月)となっています。

日経平均と景気サイクルはほとんど連動しています。だいたい平均すると 半年程度、日経平均の方が先行して動くことが知られています。

この景気の山や谷の認定は、実際の時期よりも数か月から1年以上も遅れてされることが多いです。このため、認定を見てからでは投資の判断が間に合いません。

そこで、景気の動きを示す経済指標の中でも、先行性の高いものをいくつかチェックします。

経済指標

株価トレンドの判断は基本的に日経平均株価の移動平均線の向きで行います。これと先行性の高い経済指標を合わせて全体相場を総合的に判断します。

必ずチェックする経済指標は次の3つです。

  1. 鉱工業生産指数
  2. 日銀短観
  3. 景気ウォッチャー調査

鉱工業生産指数(毎月月末に速報値を発表)

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鉱工業生産指数

鉱工業生産指数は製造業全体の生産活動の活発さを指数化したものです。製造業は景気に対してかなり敏感に先行して動くため、この指標が景気の先行指標として注目されます。

毎月、該当期間の翌月末とGDP発表時に速報値が発表されます。GDPと比べると、発表のスピード・頻度ともに優れています。

<チェックポイント>
好不況の目安は100
前月と比べてどうか

日銀短観(4月、7月、10月の初旬と12月半ばに発表)

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日銀短観

日銀短観は、日銀が、大企業、中堅企業から合計1万社を対象にした景況感に関するアンケート調査を3か月ごとに実施して、それを指数化して発表するものです。

頻度は年4回と少ないですが、アンケート実施の翌月初旬には発表され、さらに3か月先の見通しなども発表されるので、先行性があります。

発表されるデータの中でも、大企業製造業・業況判断DIが株式市場では注目されています。

<チェックポイント>
大企業製造・業況判断DIを見る
好不況の目安は0
前月と比べてどうか

景気ウォッチャー調査 先行き判断DI(毎月10日ごろに発表)

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景気ウォッチャー調査 先行き判断DI

景気ウォッチャー調査は、内閣府が景気の変化を敏感に感じる職業の人たちに景気の感触や見通しをアンケート調査して指数化して発表するものです。これらの職業は小売店や飲食店の店員、タクシー運転手、コンビニ店長、求人情報誌の編集者、職業安定所職員などです。

月末に調査したものを、翌月10日前後には発表するので、かなり速報性が強いです。

<チェックポイント>
先行き判断DIを見る
好不況の目安は50
前月と比べてどうか

重要指標をチェックするしくみ作り

全体相場を掴む秘訣は習慣です。

重要指標の発表は1か月~3か月に1度なので忘れてしまいがち。チェックする仕組みが必要です。

カレンダーに登録しておく

重要指標の発表日をカレンダーに登録しておきます。

自分で登録してもいいのですが、自動で登録してくれる「MONEXカレンダー」が便利です。

Google カレンダーやスマートフォンに取り込んでおけるので、簡単にカレンダー登録ができます。

スプレッドシートに記録する

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チェックした指標はスプレッドシートに転記するといいでしょう。

推移がわかりますし、一覧性もあります。条件式書式を使うとぱっと見で好不況の判断ができます。

全体相場の分析はやったもん勝ち

全体相場の分析が投資の成績に直結することはほとんどありません。

それでも相場の大きな流れを掴み、感覚を養うことはできます。ここぞというタイミングで活きてくるでしょう。

特に、株価トレンドに合わせた現金と株式のバランス感覚が養われ、成績を底上げしてくれますね。