NISA(ニーサ)とは「少額投資非課税制度」のことです。
その名の通り、毎年決まった投資枠内で、株や投資信託の配当金と値上がり益が非課税になる制度です。
この記事ではそもそもNISAとは何か?から始まり、メリット・デメリットを解説します。
そして、NISAを始める前に知っておきたいNISAの裏側と上手な使い方までまとめてご紹介します。
NISAの5つのポイント
NISAの基本的な概要は次の5つのことを知っておけば大丈夫です。
日本に住む20歳以上が使える
NISAの制度が使えるのは成人だけです。
0~19歳の人にはジュニアNISAがあります。NISAとは少しルールが違うので注意が必要です。
上場株式や投資信託などの値上がり益や配当金が非課税
これがNISAの最大の特徴ですね。
NISA口座ではない普通の口座を特定口座とか一般口座と言うのですが、これらの口座で利益が出ると、その利益に対して20.315%の税率で課税されます。
NISAではこの税率がゼロなんです!
年間120万円の投資枠がある
NISA口座では受渡日ベースで、1月1日~12月31日の1年間に合計120万円の新規購入ができます。約定日ではないことに注意です。受渡日は約定日の3営業日後です。
そして、この口座で出た利益が非課税になります。
非課税期間は最長5年間
NISAの投資枠の残りは翌年に持ち越せません。が、投資したものは受渡日ベースで最長5年間非課税になります。
もし5年間売却することがなければ、6年目のNISAの枠か特定口座などに移管することになります。
つまり、非課税投資総額は最大で600万円になります。
口座開設期間は2023年まで
NISAの制度は未来永劫ずっとあるものではありません。2023年で終わりです。
そして過去の非課税枠は取り返すことができません。
とりあえず開けるだけ先に開けておいたほうがいいですね!
NISAのメリット
NISAの最大のメリットはやはり、値上がり益と配当益にかかる税金が非課税であることです。NISAは税金の世界から完全に隔離されているため、確定申告も不要です。
加えて、証券会社によって異なりますが手数料が安いということも挙げられます。
例えばSBI証券や楽天証券ではNISA口座での売買手数料が無料です。
NISAのデメリット
メリットの裏返しになりますが、損は丸損します。特定口座との損益通算もできなければ繰越しもできません。
NISAは税金の世界から完全に隔離されてるため、「損をしました」と確定申告することができないのです。
NISAを始める前に知っておきたいこと
給与等の金額が2,000万円以下の給与所得者で給与所得・退職所得以外の所得金額が20万円以下の場合は、退職所得以外の所得に係る所得税について確定申告をする必要はありません。
つまり、ごく一般的なサラリーマンは元々給与以外の利益は年間20万円まで申告不要なので特定口座(源泉徴収なし)でも非課税なんです。
そもそも元本120万円で20万円以上の利益を出すこと自体怪物じみています。年利16.7%ですよ?ちなみに最強の投資家と言われるウォーレン・バフェットの年利が22%ぐらいです。
事業、不動産、譲渡、雑所得がある人にとってはNISAはお得な制度です。
一般的なサラリーマンの方は値上がり益の非課税ではなく手数料に旨味を感じてNISAで運用するのが良いと思います。
上手なNISAの使い方
NISAでの投資対象は時価がジリ高、つまり一気には増えないけど安定して増える資産が好ましいです。
NISAの投資枠は1度きりで最長5年間有効なので、長期投資で考えるのが制度の性格に合っているのです。
これには値動きが安定してる株や米国のインデックス型ETFなどがあります。
株の場合
個別株では業績、PER、配当利回り、月足チャートが銘柄選択のポイントです。
業績
業績は毎年拡大傾向にあるものを選びます。
四季報の業績欄を見て、毎年安定して売上高と経常利益が伸びている企業を見つけます。
PER
PERは株価÷1株益で計算された値で、株価の割安さを表す指標です。
この値が小さい、つまり割安に放置されている銘柄を選びます。
値の目安としては大体、業種平均の2/3以下です。
業種平均はモーニングスターの「東証1部業種別データ」で確認することができます。これは毎日更新されるので、銘柄を注文する際に合わせて確認しましょう。
配当利回り
NISAは配当所得も非課税です。
配当利回りが4%もあれば十分満足できる配当が得られるでしょう。
月足チャート
全ての移動平均線が上向きで、じわじわと上がっている銘柄を探します。
例えば4658 日本空調サービスはこんな感じのチャートです。この調子だと安心して5年間保有できそうですよね?
海外ETF
SBI証券のNISA口座では海外ETFの新規購入に係る手数料が無料です。
普通約定代金の0,45%(下限5ドル)がかかります。これが無料なので超お得です。
具体的には「バンガード トータル ワールド ストックETF(VT)」や「バンガード 米国高配当株式ETF(VYM) 」を選びます。
バンガード トータル ワールド ストックETF(VT)はこれ1本で世界中の銘柄に分散投資できるETFです。
【VT】バンガード・トータル・ワールド・ストックETFのベンチマークは約8,000銘柄の大型、中型、小型株で構成されるFTSE®グローバル・オールキャップ・インデックス。全世界の投資可能な市場時価総額の98%以上をカバーしています。VT1本に投資すれば、新興国から先進国まで世界中の株式市場への投資が出来ます!
ちなみに10年月足チャートはこんな感じ。
一方、バンガード 米国高配当株式ETF(VYM) は高配当の米国株銘柄だけで構成されており、銘柄数は472。分散投資、高い配当利回り、ジリ高チャートという申し分ない商品です。
ちなみに10年月足チャートはこんな感じ。
NISAに最適な証券会社はSBI証券
NISAは手数料が無料で選択肢が広い、すなわち取扱商品数が多い証券口座で開設することがまず最優先です。
最もNISAのメリットを享受できるからです。
NISA口座での日本株売買手数料が無料の証券会社はSBI証券のみならず5つの会社があります。
しかしながら、取扱投資信託の数はSBI証券が2,258本と最多です。
さらに、個別株でも札幌証券取引所など地方の証券取引所で扱う銘柄が買えるのはSBI証券ぐらいです。例えば、RIZAPは札幌証券取引所で取り扱っている銘柄なのでSBI証券ぐらいでしか買えません。
また、繰り返しになりますが、海外ETFの購入手数料が無料なのもSBI証券とマネックス証券ぐらいしかありません。
このように、手数料無料という点では他社と同じですが、取扱商品数の点ではSBI証券が抜群なのです。
まとめ
NISAは利益が非課税になる一方、損をしたときのダメージをそのまま受けてしまうので諸刃の剣です。
特定口座のように使うと全然旨味がないので、NISA口座はその特徴に合わせた使い方をしましょう。
基本は長期投資でジリ高に、ですよ。